コラム

2011/05/12

継続についてくる結果(東京・HM)

継続についてくる結果

▼3月に開かれた今年のF1グランプリ。開幕戦のオーストラリアGPは「がんばれ日本」一色に染まった。毎年恒例のドライバーが揃っての記念撮影でも「がんばろう、日本」のプラカードが掲げられ、全マシンに日の丸と「ガンバレ」の日本語、そして決勝レースの前には1分間の黙祷が捧げられた。

▼異例とも言える、F1界を挙げての応援に感激した。テレビ解説を務めた元F1ドライバーの片山右京氏は「F1ファミリーの中で日本がちゃんと一員になっていることが分かって、それも嬉しい」と語っていた。確かに10年前、20年前ならばこういう対応ではなかったと思う。まだ日本人ドライバーが新参者だった頃にF1の世界に飛び込んだ片山氏としては感慨深いものがあったろう。

▼日本とF1の今のよう関係が始まるのは1987年、中嶋悟氏がドライバーとして始めてフル参戦したところから。現在は、ドライバーとして小林可夢偉氏が唯一参戦し、アグレッシブな走りで評価を高めている。

▼87年から25年が経過した。四半世紀という長い間、日本人ドライバーもしくは日本の自動車メーカーが1年も欠かすことなく参戦し続けたからこそ、日本GPも毎年開かれた。その結果としてのF1ファミリー入りをなし得たのだ。

▼「継続は力」というが、まさに続けてきたからこその今と言っていい。これから被災地では、復興への長い道のりが始まる。いや被災地のみならず日本全体の総力が必要になってくるであろう。険しい道になるだろうが、この道に近道はなく、一歩ずつ止まらずに歩き続けることでしかゴールにはたどり着けない。(東京・HM)

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