コラム

2011/05/20

優先順位を上げる(茨城・KK)

優先順位を上げる

▼ガソリンスタンドの給油待ち6時間、水ひと家族2リットルまで、納豆同じく1パックまで…震災後しばらくの間、生活必需品の確保に難渋した。東北地方の被災地の方々の苦労を思えばぜいたくは言ってはいられないが。

▼わが国は世界4位のエネルギー消費国。エネルギー資源の大半を輸入に頼っており、自給率は20%程度。同じく日本の食料自給率(カロリーベース)は39%。これは主要先進国の中ではもっとも低い数字。比較的低いスイスが50〜60%、お隣の韓国が40%台後半といったところだ。

▼「仕事でより大きな成果を出すためには…」ビジネス書、自己啓発書の普遍のテーマだろう。緊急性と重要性で優先順位をつけ、そのやるべきことに、限りある時間の多くを充てる。いわゆる「選択と集中」だが、それは人間関係全般にも言えるのでは。

▼「相手に対する自分の優先順位を上げることを考えろ」。昔、ある先輩に言われたひとことが耳に残っている。「顧客にライバルの中での自分の順位を上げてもらうことこそが仕事の基本だ」と。なるほど、忙しい人に優先的に話を聞いてもらえるようになったら、営業マンとして合格だろう。

▼「日本には、エネルギーも食料も、優先的に輸出しますよ」―。世界各国から、そう評価されれば、日本の未来は明るいだろう。震災当日、仕事先から自宅までの10時間の帰路、1回の青信号で1台しか通過できないような大渋滞の中、誰もが譲り合い、穏やかに運転していて、お礼以外のクラクションの音を耳にしなかった。世界に冠たる科学技術に加え、精神文化の高さで、自国の優先順位を上げたいものだ。  (茨城・KK)

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