コラム

2011/06/03

野菜を買って被害者支援を(茨城・MK)

野菜を買って被害者支援を

▼福島第一原発事故によって茨城県でも農業や漁業が風評被害に苦しんでいる。そういった方々を少しでも支援しようと、茨城県建設業協会が地元野菜を購入する事業を始めた。名付けて「風評に負けるな!茨城の心で愛の手を」。

▼この取り組みは、協会がそのネットワークを活用して県内の農家から野菜や果物(1箱2000円相当。送料込み)を購入。すると野菜の箱詰めが会員宅に送られてくる。全国へ送ることも可能だ。野菜を詰めたダンボール箱には協会の名前とプロジェクト名が書かれたシールを張って、事業の趣旨のアピールと「地元に密着し、貢献する建設業」のPRも行っている。これまでに相当数の申し込みがあるという。事業を知った橋本昌知事も「本県の農業にとって、ありがたい取り組みですね」と感謝の意を表した。

▼風評被害を克服するには、さまざまな方法があると思うが、今回の取り組みは、物産展などの単発的なイベントでの販売ではなく、協会というネットワークを活用することで一定程度の購入が可能になることが特徴といえる。値段も高いわけではなく、品物も有機野菜だ。

▼農家にとって、丹精込めて育てた農産物が風評被害で売れなくなることは断腸の想いだろう。そういう状況のなか、適正な価格で野菜などが売れることは大きな励みになると思う。

▼大震災の被害を見て、何か役に立てることはないかと悩んだ方も多いだろう。今回の取り組みも「できることで援助しよう」がきっかけだった。今後は海産物の購入も検討しているという。このような身近な取り組みが、大きな支援の輪につながることを切に願っている。(茨城・MK)

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