コラム

2011/06/08

マナーの良くない人(東京・JI)

マナーの良くない人

▼新宿区役所のトイレに貼り紙がある。『ひげそりや洗たく、体を洗うなどの行為はしないでください』。このトイレでこうした行為を見たことはないが、もしかすると以前は日常的に行われていたのかもしれない。ひげそり程度ならわかるのだが、それ以上は理解できない。

▼まさか役所のトイレで全裸になるとは思えないが、想像してみると、上着を脱いで水に濡らし、そこに手洗い石けんをつけて体をゴシゴシとこすり、服をすすいで再び体を拭いて最後に服を洗えば、少しはさっぱりするだろう。しかし「恥」という感覚を普通に持っていれば、こうした行為は簡単にはできないはずだ。

▼リクルート創業者の江副浩正氏は、著書『リクルートのDNA』に10項目の行動指針(経営理念のモットー)を記している。その10番目は「マナーとモラルを大切にする」というものだ。マナーの良くない人は、仮に高い業績を上げても続かないという。マナーの悪い企業は、顧客や取引先が離れていくとも書いている。相手から信用されるには、自分に良識が備わっているかどうかも重要になるということだ。

▼行動指針には「自己管理を大切に」というものも示されている。業績への機会は平等であり、達成しようとする執着心を持ち続けるか否かにかかるという。自分が成長できるかどうかは、自己管理できるか否かにかかっていると補足する。

▼他人から見て恥ずかしい行為、信用に値しない行為を、普段の自分はしていないかどうか。これを自らチェックするのはとても難しいが、他人の行為を観察し、そこに自分を照らし合わせれば可能だろう。(東京・JI)

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