コラム

2011/06/16

千駄木付近の今昔(埼玉・HS)

千駄木付近の今昔

▼3年ぶりに東京の根津から千駄木、日暮里までを散策した。千駄木は10代の頃から何かと縁のある場所で、根津と日暮里も単なる遊び場ではなく「生活の場」として過した思い出深い土地だ。

▼根津神社は地下鉄千代田線の根津駅から徒歩5分。江戸時代の五代将軍・徳川綱吉が宝永2(1705)年に社殿を奉建したことで知られている。300年以上経過しても、重要文化財の建物は煌びやかで、訪れる人は耐えない。

▼根津神社の裏門から日本医大病院前の坂を上ると『我輩は猫である』を執筆した夏目漱石の旧居跡(猫の家)の碑がある。近代的な建物となった日本医大の校舎の片隅で、その役割りを終えたかのように、ポツリと建っていた。実際の家屋は、愛知県の「明治村」に移築され公開されている。

▼千駄木ふれあいの森(太田の原)の横を通り、工事中の森鴎外記念室・観潮楼まで来ると、団子坂上となる。この場所には、平成18(2006)年までは文京区立本郷図書館があり、高校から大学の頃は実際に利用していた。3階にある自習室で勉強した記憶や、やや手狭な階段が懐かしい。現在、図書館は近くにリニューアルオープンし、記念室は「森鴎外記念館」として、鴎外生誕150周年の平成24(2012)年に開館する予定。

▼賑わう谷中銀座を抜けると、JR日暮里駅。2008年の日暮里舎人ライナー開通に合わせて東口の再開発が完成。最近も京成線の成田スカイアクセス線開業で進化が止まらない。昔も今もそこに人が居る限り、建物は造られ続ける。ただし、真にその建物が必要かどうかで、未来まで残るかが決まるようだ。(埼玉・HS)

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