コラム

2011/07/05

古き良き漫画について(茨城・HN)

古き良き漫画について

▼カミさんが娘のために図書館から借りてきた絵本の山に、古びた単行本のような本が一冊。気になって手に取ってみると、手塚治虫さんの代表作、『ブラック・ジャック』だった。なんでも幼いころ、田舎の物置で見つけた雑誌に同作品が連載されており、懐かしくなって借りてきたのだという。

▼漫画は嫌いではない。学生時代を思い返してみても、欠かせない話題の一つだった。最近では人気の『ワンピース』や『ナルト』の単行本を借りて読むのが楽しみなくらいだ。何巻にもわたって物語が続いており、その先が気になってしまう。だが、その一方で昔の作品は短編物が多い気がして魅力を感じず、最近は読む機会も無かった。

▼手塚治虫プロダクションが、被災地に漫画を送った。岩手県大船渡市と福島県須賀川市に、『火の鳥』や『ブラック・ジャック』など870冊に及んだ。娯楽の少ない被災地で少しでも楽しい時間を、というのが今回の趣旨のようだ。ただ、それが現代の子どもの目にどう映るのかが気になる。

▼さて、図書館から借りた『ブラック・ジャック』。それほど興味があった訳ではないが、何気なく手にとって読んでみた。すると、1話ごとに完結する物語でありながら、その展開がどれも奇想天外で引き込まれ、うまくまとめられている。

▼気になって、あとがきまで見ると、書かれたのは昭和40〜50年代だという。昔に書かれた内容でも、今の漫画に引けを取らない。いや、むしろそれ以上だ。暇つぶし感覚で読んだことに反省した。作者の漫画に対する強い想いと感動。被災地の子どもたちの感動する姿が、脳裏をよぎった。(茨城・HN)

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