コラム

2011/07/08

それでも、塵も積もれば…(茨城・KK)

それでも、塵も積もれば…

▼30年以上前になるが『週刊プレイボーイ』誌のインタビュー記事が忘れられない。ビジネスの世界で成功したある大富豪が半生を振り返るといった内容だった。大富豪氏はタバコに火を点けるのにマッチを擦った。

▼「節電、節電」大合唱の夏である。家庭で消費する電力はエアコンが4分の1、冷蔵庫は6分の1、照明器具6分の1、テレビ10分の1等々。エアコンの設定温度を1度上げると10%の節電、冷蔵庫の温度を強から中にするとやはり10%節電できる。消費電力が白熱球の30分の1と言われるLED電球が俄然注目を浴びている。

▼一般家庭での1か月の電気代を1万円から1万5000円と仮定すると、1日400円程度か。1キロワットの電力を1時間使うと20円から30円。500ワットの電子レンジを3分使って1円、1200ワットのドライヤー5分で2・5円、テレビ1時間で5円。一番高いエアコン1時間で15円。意外と電気は安いものだ。

▼今や7割の家庭に普及した温水洗浄便座。日本中でのその電力消費量470万キロワット。これは福島第一原子力発電所1号機から6号機までの最大発電能力に匹敵するというから驚きだ。快適な生活のためには莫大なコストがかかるということか。

▼日本の電力供給量は2030年までに1割増える見通しという。その間、人口は1200万人減少するというのにだ。「私が今日あるのは、高級ライターではなくマッチを使ってきたから」と先の大富豪氏。この30年間で日本の電力消費量は1・5倍にもなった。安い(?)電気も「塵も積もれば」大変な金額になることをを忘れてはならない。 (茨城・KK)

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