コラム

2011/07/13

工夫された路面(群馬・KS)

工夫された路面

▼南米ペルーを旅した。ガッタン、ゴットンと音がして車の速度が落ち、大きく揺れた。その振動に驚き、一体何事かと窓の外をのぞいた。すると路面に凹凸があり、猛スピードで走り去れば、転倒か車体を路面にぶつけるか、何かしらのリスクが発生しそうであった。

▼何のためなのか。しばらく路面に凹凸を付ける意味が分からなかったが、それは直線道路や、市街地への入り口付近、スピードの出やすい箇所など至る所に見受けられた。その前後にはカラー帯が施され、遠くからも目視できるように目立たせてある。

▼日本では通常の道路でスピードを時速20?まで落とさなければ安全に通行できないような道路整備は、急勾配急カーブの山道位でしか経験したことはない。スピードの出る直線道路には定期的に警察が取締をしているし、路面に多少の凹凸を付けてスピードを落とすように促し、標識も目立つ。

▼異国の地ではこうも道路整備が違うのか。信号機が無い代わりに道路に変化を付けるとは。滞在した少ない日数でも抜群の効果が垣間見られた。凹凸に出会う車は速度を落とし、ゆっくり越えていく。なるほど。市街地へ行けば無論信号機も多いが、国土が日本の3・4倍ともなれば、地方の道路では何かの工夫で安全走行を促す必要があるのだろう。

▼走りやすく障害物のない道路。運転者なら誰しもが求める道路整備だが、運転者・歩行者の安全、これを考えると運転者への意地悪ともとれる凹凸は、その周辺での事故発生を押さえている効果もある。一考した道路整備が、速度を落とすことに対する不快感を和らげ、安全の確保を保っていると感じた。(群馬・KS)

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