コラム

2011/07/15

お役所頼りからの脱却(埼玉・YW)

お役所頼りからの脱却

▼先日、テレビでアメリカのコメンテーターが、「しかし日本という国は、よく政府などへ要望活動をしているね」、そして「いつから社会主義国になったのかね」と皮肉を込めた発言をしていた。

▼的を射ているのではないだろうか。実はアメリカでは、教育の現場で「社会主義国の現場は中国、キューバ、日本に行くと分かる」と教えているフシがある。つまり、何でもお役所に頼り、ひどいのは議員を介して要望書を渡す―と件(くだん)のコメンテーターは発言している。

▼アメリカではオバマ大統領が国民皆保険の政策を打ち出したら賛否両論で大変な目にあったことが記憶に新しい。自立を前提とする国民性で御上頼みの要望活動は理解されないのだろう。

▼アメリカの一例だが、ちょっと過激な要望活動はロビーイストと呼ばれる。つまりロビーで議員やお役人を掴まえ、要望活動する職業が専門的に存在する。誰でも何でもするのではなく代理人=ロビーイストが行う。最も有名なロビー団体はRA(ライフル協会)。たとえば銃の規制活動をしようものならそれこそ本当に狙い撃ちしかねない集団。歴代大統領で加盟していないのはクリントン元大統領だけということは有名な話。

▼脇道に少しそれたが、誰でも問題意識を持ち議論し、時には要望活動、アメリカのようなロビー活動になってもやむを得ないかもしれない。表現と思想の自由があり、認識の高い国民が要望や議論しても悪くはないが、コメンテーターではないが昨今、目に余るのだ。ケネディ元大統領の「国に頼るのではなく、国や社会のために何ができるかを問え」と言う言葉を思い出す。(埼玉・YW)

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