コラム

2011/08/03

過酷な条件を乗り越えて(群馬・SS)

過酷な条件を乗り越えて

▼「あつい」。こう呟いても涼しくなるわけがないのだが、つい弱音をはいてしまう。今年は6月で昨夏の全国最高気温を超える地点が相次ぐなど、例年以上の猛暑に見舞われている。折からの節電ムードもあいまってエアコンとの付き合い方も頭を悩ませている。

▼暑い夏の風物詩といえば高校野球。まず気になるのは母校の動向。「今年こそ甲子園に行けるだろうか。ああ負けてしまった」。この後の注目は母校を打ち破った高校だ。全国大会では、自県代表と公立高校をもっぱら応援する。テレビの前で手製の「かちわり」を用意して応援するのが毎年のスタイル。

▼全国の地方大会でも暑い中、熱い戦いが繰り広げられ、代表校が決まった。被災地・福島では転校を余儀なくされ部員が揃わず、3校が「相双連合」を結成。練習時間の確保もままならなかったが4番の意地のホームランが全国的な話題を呼んだ。群馬県内でも桐生市商が同じく被災地・岩手の高田高校を招き練習試合を通じて交流を図った。

▼他方、暑さに参ってしまった高校もあった。遠く広島では延長戦を繰り広げている最中、計12人が熱中症に倒れた。一方のチームが8人になってしまいやむなく棄権する事態に陥り決着をつけられなかった。日本列島が猛暑に襲われている。

▼年々厳しくなる暑さの中、ときに2連戦、3連戦といった厳しい条件を乗り越え勝ち抜く球児には本当に頭が下がる。だが暑い時期に連戦を強いられる球児は不憫にも思えてしまう。これ以上過酷な環境の中で試合をさせないためにも節電、そして温暖化防止に真摯に取り組むことを考えたい。(群馬・SS)

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