コラム

2011/08/06

公共事業は必要か(新潟・YY)

公共事業は必要か

▼先月、北陸地方整備局では優良工事等局長表彰を皮切りに、同事務所長表彰や、東日本大震災における災害支援に対する感謝状の授与式などが相次いで催された。

▼発注者あいさつでは、公共事業を取り巻く状況は引き続き厳しいと前置きし、そのような中で高い技術力や創意工夫を凝らして施工にあたり、高品質なものを作り上げた受賞者を讃える。また一方で3月11日の東日本大震災によって社会資本整備の重要性が明確になったと話す声も数多く聞かれた。

▼まず、被災地へ建設業者が入って復旧作業を行い、安全性を確保しなければ、その後の活動は立ち行かない。その点、阪神大震災の教訓を受けて進めてきた耐震化が功を奏し、高速道路の復旧は早かった。自分たちが国土を守っているという強い使命感がなければ、危険と隣り合わせの作業を行えるものではない。

▼冬期間の除雪作業にしてもそうだ。いつ降り出すかも分からない天まかせの作業に対し、除雪機械を確保し、オペレーターを確保する。公共事業費削減に伴い、建設会社の経営が厳しくても地域に貢献したい、地域の安全・安心を守りたい、とする建設業者の強いボランティア精神によって支えられている仕事だ。

▼公共事業については、これまで、それぞれの立場、考え方から議論が交わされてきた。公共事業をなくしても安心・安全で快適な国土づくりが可能であるならば、公共事業は不要かもしれない。公共事業は必要なのか、不必要なのか。先の大震災を受けてどうのように感じたのか、自明の理だが、大いに議論し、よりよい国土づくりにつなげてもらいたいものである。(新潟・YY)

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