コラム

2011/08/13

アスリートに学ぶ健康管理(茨城・KK)

アスリートに学ぶ健康管理

▼舞台の上で背広を脱ぎ、いきなり腕立て伏せを50回。直後、息も切らさず何ごともなかったかのように話を続けた。茨城県のある建設会社の安全大会で講師を務めた元TBSアナウンサーの石川顕氏。「1塁キャンバスの横で清原が泣いています」―1987年の日本シリーズ第6戦の名調子をご記憶の方も多いだろう。

▼今年70歳になるという石川氏だが、シミひとつない色つやのよい肌はとても年齢には見えない。半世紀近く前のTBS入社時から、全く体型が変わっていないという。局アナ時代から定年退職後フリーになった今日まで、風邪ひとつひかないどころか、無遅刻無欠勤。

▼「そのファンが観戦に来るのは一生に一度かもしれない。その人のためにもプロは休んじゃダメだ」王貞治氏のひと言が摂生の原点になったと石川氏。一流選手を取材するたびに、これはという健康法を取り入れた。3年前に亡くなった氏の父上は、享年105歳。畳の上での大往生だった。「息子のアドバイスを素直に受け入れたからかも(石川氏)」

▼体のコンディションづくりよりも、むしろ心のコンディショニングが難しい。「人に気を使わない」「体(心)の欲することをする」―。分かっていても簡単にできることではない。石川氏は笑いの効用に言及。笑うことが健康によいことはもはや定説だ。

▼日本には2700の職業があるという。「私が無遅刻無欠勤を通せたのは、電車も飛行機も遅延がなかったおかげ」と石川氏。「日本人全体のタガが緩んできているのでは?」と最近の世相に苦言も。危機管理、安全管理など企業の健康管理の重要性を訴えた。(茨城・KK)

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