コラム

2011/08/30

心と心を一つにする(群馬・AN)

心の手と手をつなぐ

▼東京・明治座で千秋楽を迎えた公演『棟方志功物語』を最後に舞台から引退する女優の赤木春恵さん。終演後のカーテンコールでは、親友の女優・森光子さんからの手紙が代読され、70年以上にわたる舞台人生に幕を下ろした。赤木さんは今後、テレビドラマなどの仕事は続けるそうだ。

▼カーテンコールで、森さんからのねぎらいの手紙が読み上げられると、赤木さんは「森さんとは『親友』ならぬ『心友』」と口にした。心友とは心の通じ合った友を指す。女優として競い合い、友人として支え合った2人の深い絆に感動を覚えた。

▼東日本大震災の復興チャリティーとして2日間だけ再結成を果たした『COMPLEX』。人気ロックシンガー吉川晃司と天才ギターリスト布袋寅泰が1988年に結成した伝説のユニット。わずか2年弱の活動期間だったが、発売したシングル、アルバムともオリコン1位を獲得するなど絶大な人気を誇った。

▼再結成ライブのテーマは『日本一心』。被災地復興支援のため、公演の全収益を寄付するチャリティーライブだ。ミュージシャンとして、音楽を通じた復興への願い、心を1つにするエールを送った。そんな意味から『日本一心』を掲げたという。

▼震災によって東北地方は、大きな傷を負った。行方がわからない方、避難を余儀なくされている方が大勢いる中、今でも頻発に続く余震によって「また、来るのでは」と3月11日に発生したM9・0の悪夢が脳裏をよぎる。被災者の気持ちは被災者にしかわからないが、日本全体が心を1つにし、早期復興を望む気持ちは誰でも同じ。心の手と手をつなぐ気持ちが大切だ。(群馬・AN)

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