コラム

2011/09/30

心を癒すあの日の思い出(茨城・NI)

心を癒すあの日の思い出

▼過日、茨城県と福島県の県境に位置する久慈郡大子町を車で走ると、時代をタイムスリップしたような懐かしい光景が目に入った。それは、現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説「おひさま」で、井上真央さんが演じるヒロイン・須藤陽子の母校で赴任先でもある有明山国民学校(有明山尋常小学校)の舞台として使用された大子町の旧上岡小学校。

▼同施設は明治時代に建てられた木造校舎で、少子化による統廃合により2001年3月31日に廃校となっていた。現在では、古き良き時代の懐かしい雰囲気を残し、大切に守られている。それによって多くのドラマや映画の舞台として利用されている。

▼近所の方に聞くと、管理を行う「上岡小跡地保存の会」による一般公開が9月からはじまり、校舎内部が見学できるというではないか。興味津々で車を止め、教室に入る。床がギジギシ、教室の扉はガラガラとなんとも奥深いメロディを奏でる。壁には当時の小学生が描いた自画像や授業風景がそのまま残されており、その当時の子ども達の声が今にも聞こえてくるようだ。

▼筆者が驚いたのは、保存会の人たちがその当時の在校生であったことと、校舎の窓ガラスはすべて当時のままのガラスで、学校の備品までもそのまま残されていること。さらに、保存会の方の校舎への熱意が半端ではない。

▼筆者も最近、母が昔使っていたえんぴつ削りを発見。もちろん手動式で外観も歴史を感じさせる。思えば子供の頃から母には「ものを大切にしろ」と再三言われてきたものだ。今になってその意味が少し分かってきたような気がする。良いものは長く残り、心を癒すものだと。(茨城・NI)

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