コラム

2011/09/02

被災地からのお返し(茨城・KM)

被災地からのお返し

▼世界的に有名なベルリンフィルとウイーンフィルの名手を迎えるコンサートが、つくば市北条商店街にある国の登録有形文化財「宮清大蔵(みやせいおおくら)」で開かれる。ベルリンフィルのビオラ奏者ワルター・ケスナーさんらは9月23日に、ウィーンフィルのチェリスト、ヨァゲン・フォゥグさんらは11月27日に、それぞれ演奏する予定。

▼会場となる宮清大蔵は、1847年築の穀物蔵。通常の土蔵に比べ一回り大きい造り3間×5間(5・4m×9m)で、01年の国民文化祭に合わせて一部修復・改装し、芸術文化の交流拠点として生まれ変わった。しかし東日本大震災で屋根や壁が崩れるなど被災。その状況を聞いた世界の音楽家が、現地で復興支援チャリティーコンサートに出演、収益の一部を蔵の復興に充てることとなった。

▼さらに茨城県にはさまざまなアーティストが訪れ、県民を盛り上げている。今月21日に開催された「北茨城市民夏まつり」には、DREAMS COME TRUEが登場。水戸市内のライブハウスには、これまでにBRAHMANやTHE BACK HORN、10―FEET、Ken Yokoyamaなど、そうそうたる人たちが訪れ、震災にかかわるライブを開催してくれた。筆者はこのうち数公演を聞いたが、本当に元気をもらうことができた。

▼「茨城県は被災地」。この言葉に間違いはないが、既に生活は通常ベースに戻っている人が多い。震災に際し、たくさんの人からいただいた「支援」や「励まし」にどのような形で「お返し」していくべきか、それぞれが考える時期に来ているような気がする。(茨城・KM)

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