コラム

2011/09/06

建設業の「絆」は不変(茨城・HN)

建設業の「絆」は不変

▼震災以降、「絆」という言葉をよく耳にする。「一つになろうニッポン」や「がんばろう日本」など、表現はさまざまだが、これらに共通するキーワードが「絆」。今の時代、情報化が進み、人間関係は希薄になるばかり。だからこそ、絆の大切さを改めて考えさせられたのが、今回の震災だった。

▼では、企業間ではどうだろうか。企業の場合、利益を得るため、競争という原理の名の下で成り立つ部分がある。競合店では少しでも多くの客を得ようと、価格やサービスでしのぎを削る。そして、これは建設業も同じ。そして公共事業では、厳しい状況の中、入札による仁義無き戦いが続く。

▼しかし、今回の震災で、建設業が他の業種と一線を画すと言うことを、まざまざと見せつけられた。がれき撤去や解体撤去、道路の修復や確保、電気、上下水道などのインフラ復旧。その活躍はめざましいものがあった。他の業種がこれを真似することは、到底できない。

▼先日のインタビューで、震災復旧に当たった建設業者がこう語っていた。「俺らがやらなければ誰がやる。そんな想いが湧き出てきた」。どの建設業者も同じ想いだったのではないか。競争に明け暮れていた建設業者はあの時、使命感という言葉を胸に一つになった。その絆は、今後ますます必要になるだろう。

▼さらに前出の業者曰く。「建設業を勇気づけたのは一般人からのエールだった」。ならば、建設業をこれから元気づけていくのは世論であろう。社会は建設業界の重要性を肝に銘じたに違いないのだから。復旧の時に見せた建設業の絆は、不変であることを切に願っている。(茨城・HN)

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