コラム

2011/09/09

不変の商いの原点(茨城・KK)

不変の商いの原点

▼「おや、Kさん、しばらくだね。元気かい?」読者の方からいきなり名前で呼ばれるのはうれしいものだ。入社当時は「日本工業さん」とか「お宅」が多かった。それから「日工経のKさん」…年月が過ぎるにつれ、社名より先に名前で呼ばれる割合が多くなった。

▼「商品を売る前に自分を売り込め」-―ビジネス書、自己啓発書の定番メニューだが、テーマが大き過ぎて、いまひとつわかりにくい。茨城県のある建設会社の安全大会の講演は、そんな悩みを解消してくれた。講師は経営コンサルタント・香川昇氏。大手生命保険会社の支社長、教育部長を歴任。その後ホテルの社長に出向。社長時代に7000枚の名刺を配ったという営業のプロだ。

▼営業マンは自分の名前を覚えてもらうことから始まる。そのためには、まず「あいさつ」。「あ」=明るく「い」=いつでも「さ」=(相手より)先に「つ」=続ける。一度や二度で名前など覚えてもらえるわけがない。「おはようございます。○○会社の△△です」と何度も何度も繰り返すのだ。

▼香川氏は「成否4回ジャッジの法則」を提唱する。客の側からすると3回も来られるとそろそろ情が移る頃。しかし、普通の営業マンは3度通ってダメなら、あきらめてしまう。あと1回行ってから、もうひと押ししてから判断してもよいのではと。

▼仕事上役立つ情報のほかに、顧客の関心事を聞いたら覚えておいて、次の話題にする。お礼のあいさつは3日以内に。「顔を出し、見積りを出し、電話をかける。とにかく商売は出さなきゃ始まらない」香川氏の教えはシンプル。商いの不変の原点を見た気がする。(茨城・KK)

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