コラム

2011/09/15

競争社会に打ち勝つ魅力(埼玉・YW)

競争社会に打ち勝つ魅力

▼輸出業者から見れば収益を圧迫する円高、生産の制限を余儀なくされる電力不足、人件費の高騰などが原因で国際競争の低下を招くとし、いまや大手の製造業者だけではなく、中小の製造業者も真剣に海外展開、というよりも海外に逃げ出す状況に置かれている。

▼こうした状況をみて確かに「日本企業の空洞化は好ましくない」といった論調が聞こえてきそうだが、果たして雇用機会の確保という観点だけの判断は正しいのだろうか。そこには海外に逃げないよう「競争で勝つ」という発想はないのだろうか。技術力など他社に負けない魅力を打ち出し、日本に留まってもらえる努力が必要ではなかろうか。

▼経営トップは「日本より海外の方が総じて魅力がある」と総合判断して海外行きを選択していると見たほうが、ごく自然ではなかろうか。

▼公務員や自治体も競争の社会に置かれている。他県では企業立地を促進すべく宣伝広告費用をかけて隣接県にアピールしている。自分たちの県を選択してもらえるための努力、競争に勝つための尽力を自治体でも実践している。より良い条件で選択してもらえるよう踏ん張ることが必要である。経営の神様松下老公は、四国の知事に優遇税制をもちかけ「適えてくれるならすぐに本社をあなたの県に移しますよ」と発言している。

▼老公は自治体間の競争を促したのである。いまは自治体も、住みやすさ、子育てし易さなどで売り込みに懸命だ。まさに自分たちの自治体に住んでほしい、来てほしいという戦略や仕掛けを練っている。激戦企業は、泣き言をいう前に柔軟な発想と魅力で勝負しては、いかがだろうか。(埼玉・YW)

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