コラム

2011/09/22

時流を読み、つかむパワー(東京・UT)

時流を読み、つかむパワー

▼大手ゼネコンやメーカーの方と接していると、EPCとかO&Mという言葉を頻繁に聞く。例えば「O&Mまで含めて」「O&Mで儲けを」といった話の脈絡から、オペレーション・アンド・メンテナンス、運転維持管理のことかと察しがついたが、EPCの方は恥ずかしながら、ちんぷんかんぷんだった。

▼聞けば、EPCとはエンジニアリング・プロキュアメント・コンストラクションのことで、設計・調達・建設を意味している。営業担当の方から「私たちゼネコンもEPCだけではなく」といった脈絡の話だ。

▼官民のパートナーシップ、PPPで、水道事業に熱い視線が注がれている。その要因はいくつかあるが、代表的なものが職員の高齢化だ。全国の水道事業体には6万人近くの職員が従事しているといわれている。このうち、50歳以上の職員が約40%を占めている。PPPによる民間活用で職員補充の負担が解消され、現状職員の最適な配置を模索できる。

▼加えて包括的な発注により、契約手続き、あるいは業務そのものさえも効率的になるほか、民間ノウハウの活用も期待されている。課題も当然ある。官民の責任分担明確化や地域住民の信頼獲得、持続性の担保などが挙げられている。PPPを導入する場合は市町村が、一つひとつ解決しなければならないだろう。

▼自治体トップの決断が待たれるが、今後、水道事業におけるO&Mの民間委託拡大は、逆らえない流れではないだろうか。巨大企業は、時流を読み、ビジネスチャンスをつかむパワーを持っている。地場、中小業者も遅くはない、さっそく真摯に模索しなければならないと思う。(東京・UT)

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