コラム

2011/09/27

日・台間を結ぶリレー(茨城・HS)・

日・台間をつなぐリレー

▼東日本大震災後、200億円を超える義援金を寄せてくれた台湾。その台湾に感謝の気持ちを伝えようと、日本の若者たちによるユニークな試みが行われた。それは、黒潮の流れる日本と台湾間を、リレー形式で泳いでわたるというもの。

▼スタートは沖縄県与那国島。ゴールの台湾北東部、蘇澳(ソオウ)までの水泳距離は約150?。そこはサメが生息する海域で、季節も9月の台風シーズンという悪条件。にもかかわらず、岩手・宮城・福島3県知事の感謝のメッセージを携えた6人は、約50時間をかけて見事泳ぎ切った。

▼終戦まで日本の統治下にあった台湾には、今も日本語を話すお年寄りが多く、「哈日族(ハーリーズー)」と呼ばれる日本好きの若者も多いという。昨年度の対日世論調査でも、最も好きな国のランキングで日本は1位(52%)だったというから、まさに「近くて近い国」と言えるだろう。

▼2007年に開業した台湾の高速鉄道は、一部にドイツやフランスの製品が混じっているものの、中核は日本の新幹線方式が採用されている。台北から高雄までの345?を約1時間半で結ぶが、これまでに大きな事故も起きていない。今年になって早くも黒字に転じたそうで、利用者は日本製品のクオリティーを信頼してくれているのだろう。

▼遠泳にチャレンジしたうちの1人は「泳ぐことで両国の友情を次の世代に引き継ぐことが使命」と話す。危険を承知で行ったこの泳断。若い世代が次世代のこと考え、両国の絆を深めたことに意義がある。泳ぐ方は大変だろうが、今後も友好関係が長く続くことを期待してやまない。(茨城・HS)

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