コラム

2011/10/04

「備え」への心構え(茨城・MK)

「備え」への心構え

▼筆者は今年の始め、2011年の世相を表す漢字として「備」を予想した。今年はまだ3月を残しているが、未曽有の大震災や原子力発電所の事故、台風など自然災害に見舞われた今年、この予想は当たりそうな雲行きだ。

▼予想した「備」には「備える」という意味を込めていた。来年の12年には、アメリカやロシアなどの大国で大統領選挙があり、中国でも国家主席の交替が見込まれる。各国で権力交替をめぐり政治が大きく動く可能性があり、前年の今年は「12年度をいかに有利に戦うのか」に備え、準備する年であると予想したからだ。

▼しかし、今年は何といっても東日本大震災である。亡くなられた方、避難された方を含め甚大な被害をもたらした。そして、改めて問われたのは、災害への「備え」であったろう。震災後には「想定外」という言葉が連発されたが、しっかりと災害に備えていただろうか。

▼茨城県建設業協会では今年、建設業や公共事業の大切さを訴えるためのアピール広告を打っているが、その中に「備えはいつも。あしたの安心のために」というキャッチフレーズがあった。その説明には「自然災害はいつも、突然やって来る。厳しくても、やっておかなくてはならないことがある。日ごろの備えが、いざというときの安心につながる」とあった。

▼「備」が、今年を表す漢字になるかは分からないが、災害をはじめ将来起こりえることに「備える」ことは、今年に限らず、いつも大事なことだと実感するこのごろである。そして、のど元過ぎれば―のたとえがあるが、地震国日本に「備」の意識を風化させてはならないだろう。(茨城・MK)

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