コラム

2011/10/15

国民の健康と農家の生活(新潟・SS)

国民の健康と農家の生活

▼新潟県の葉タバコ農家は日本たばこ産業(JT)の廃作募集に一斉に応じ、今年の収穫をもって6割の農家が廃作に転じるという。全国1位の熊本県が3割なのに対し新潟県は6割と多い。新潟の葉タバコは砂丘地で多く栽培されており、作物に制限があり、転作が進むかは不透明で、離農者や耕作放棄地の拡大の懸念もある。

▼小宮山厚生労働大臣が1箱400円のたばこをさらに増税して700円まで上げるべきといった発言等、喫煙問題は加速度を増している。筆者も禁煙者の一人だが、一方で喫煙者を気の毒に思うこともたびたびである。

▼先ほど新作を発表したゲームソフト『ドラゴンクエスト』シリーズ作曲者としてファンにお馴染みのすぎやまこういち氏が、禁煙に関して「たばこだけを批判するのは客観性を無視した宗教運動のようなもの」として禁煙推進派のアンバランスな考え方に警報を鳴らしている。

▼すぎやま氏は喫煙メリットについて「一服したときに得られる安らぎは何ものにも代えられない。作曲中にワンフレーズが決まったその後の一服は創作活動に欠かせない」と述べている。名曲の数々も煙草無しでは生まれなかったのかも知れない。しかし何事にも複合的な考えを忘れるな―と煙草と音楽を通して語っているのだろう。

▼新潟の海岸沿いの丘陵地に広がる葉タバコ畑はスイカと並び夏の風物詩だ。来年の夏、廃作に応じた畑はどれだけ転作が進むのだろうか?また前回の煙草の増税で得た税収はタバコ葉農家の転作補助に使われたのだろうか?国民の健康管理もさることながら、農家の生活向上にも欠かせない問題だ。(新潟・SS)

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