コラム

2011/10/25

アップル社の顔逝く(茨城・NH)

アップルの顔逝く

▼米アップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏が今月56歳で死去した。ジョブズ氏は1976年にアップルを共同創業し、世界的企業に成長させた。しかし社内対立で85年に退社。その後、97年に経営悪化のアップル経営トップに復帰し、2000年にはCEOに就任。

▼音楽プレイヤー「iPod」、スマートフォンの「iPhone」、タブレット型情報端末「iPad」と、ヒットを連発させた。しかしジョブズ氏の死去によって、米アップル社の株価が下落。その一方で、ライバル視する韓国サムスン電子は株価が上昇。後継者のティム・クック氏に負担が重くのしかかった。

▼さて、私事で恐縮だが、近所の不幸で会社から有給休暇を一日もらった。亡くなったのは、近所の誰もが知る建設会社の社長。先頭に立って地域をまとめてくれるリーダー的存在でもあった。惜しまれてならない。

▼この時の手伝いは、葬儀の日程などを伝える「飛脚」と、弔問客からの香典を集計する「帳場」。飛脚の対象者と弔問客の多さに驚いていると、「いつも頼られていたからね」と隣近所のおじさん。後を継ぐことになる息子さんは「まだまだ学びたいことがたくさんあった」と悔やんでいた。

▼企業の世代交代は突然起こることが多い。その時に備え、普段から後継者を育てる取り組みが重要。だが、それ以上に求められるのは、早い段階から後継者の出番を増やすことも一策ではないだろうか。ジョブズ氏は製品を発表する際、常に1人で壇上に立ち、あたかも自分だけで製品を作ったように印象づけた。一部で批判もあったが「顔を売る」という意味では、なるほど納得である。(茨城・HN)

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