コラム

2011/10/28

本を読む人いろいろ(茨城・KK)

本を読む人いろいろ

▼今年も、10月27日から11日9日までの2週間、恒例の『読書週間』に、全国各自治体や公立図書館などでは、図書文化の普及、良書の推薦などを主目的にさまざまな行事が催される。

▼「読書」は「音楽鑑賞」や「スポーツ観戦」とならんで、きわめて一般的な趣味であろうか。広く認知され、最も多く履歴書に書かれる趣味かもしれない。話題作やベストセラーに精通している読書家、読むことよりも所蔵することに喜びを感じる蔵書家など本好きのタイプも一様ではない。

▼画家で随筆家の木村荘八氏は「読書人は、うまく間の抜けたところがあり、朗らか」と『読書』というエッセイの中で述べている。確かに、読書家の嫁が、本など読まない姑の愚痴を真に受けずにサラリとかわすといったことは、よくあるだろう。作家の宇野千代氏も「アンテナを外に向けるか内に向けるかで、ものの見方が変わってくる」と読書の効用を主張する。

▼本の世界には詳しいが、世の事にうとい人がいる。「読書で思想の再吟味をしたい」と経済学者・河上肇氏(岩波書店『自叙伝』より)経営者やビジネスマンは、日々さまざまな資料に目を通し、短時間に情報を分析する必要に迫られる。彼らにとって、読解力を養う読書は実学に他ならない。

▼今や死語に近いが「三余(さんよ)」という読書の時間にからむ語句がある。「冬」の時、「夜」の時、「雨」の時が読書にふさわしい三つの余暇「三余」であるという。夏休みなどで「○○文庫の百冊」の帯が入った本が並ぶ。本を読むのは秋とは限らない。とは言え、読書の秋と読書週間。大いに良書に触れたいもの。(茨城・KK)

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