コラム

2011/11/30

あと13年で昭和100年(群馬・SN)

あと13年で昭和100年

▼今年は1912年の大正元年から数えて100年の大正100年だという。病弱だった大正天皇の即位期間は短く大正時代はわずか15年。その時代の代表人物として個人的には竹久夢二が浮かび、レトロ、モダンといったロマンチックな時代を空想し、なんとなくしゃれた空気をイメージする。

▼急速に進行する近代化に加え、国家による帝国主義、軍国主義への圧力も加速化した時代。その一方でそれに反発するかのように自由を求めた一部の若者、社会への女性進出が激増した時代でもあり、関東大震災からの復興も大正時代だった。

▼今年は未曾有の東日本大震災、原発の是非、TPP参加を巡って2分する議論など難問が山積。これら100年目の今の時代に重複する部分が多いことは、果たして単なる偶然なのだろうか。

▼江戸時代は285年くらい続き、その後の明治、大正、昭和そしてまもなく23年目の年が過ぎようとしている平成を足しても166年くらい。江戸時代は元号ではないので単純に比較できないが、300年近く江戸幕府がこの国を統治してきた。その後、明治維新でいわば新国家に生まれ変わり、そこから官僚国家になり以来166年続いている。また新しい国家、今のシステムに代わる抜本的に新しいシステムが必要なのではないか。

▼政権交代による新国家を期待した夢物語も遙か遠い過去に感じ、瞬く間に悪夢で終わってしまった。今年もあと1月余り。来年は昭和でカウントすると昭和87年、あと13年で昭和100年になる。大げさに言えばそれまで健全な日本は存在するのだろうか。筆者が考えるテーマにしては重すぎる。(群馬・SN)

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