コラム

2011/11/02

危険察知能力の向上を(群馬・KS)

危険察知能力の向上を

▼ブボブボブボ―。これは、先日、前を走っていた重量車両のアクセルらしき音である。年式が古いのか、その車両は、騒音を伴ったアクセル音をまき散らし、黒い煙を吐きながら、不規則な走行を続けていた。歩行者もその様子をけげんな顔つきで追うほどだ。

▼そう言えば筆者も、エンジンオイルのランプが点灯するという、同僚に言わせると一般的には「あり得ない」事態に陥り、カスカスカス、キュルキュル―という危険信号とともに肝を冷やしながら家路に就いたことがある。

▼機械も人も動物も、何事にも変化が訪れる時は普段と違う何かが発信されるのだろう。筆者のペットもさかんに鳴き何かを訴えてくる。そのまま気付かずにいると、床にディナーを戻してしまった。ペットの不調に気付かないなど、情けない飼い主でもある。

▼機械の危険信号、動物の危険信号、会話ができれば避けられる―と不可能なことを願望する筆者は、発信者からすれば遅すぎる察知者である。不可能なことを願望することをやめて、普段と違う何かを発していることに気付けるか気付けないかは、状況を共にしている自分次第である―と痛感している。

▼普段から予防を心掛けるほど手間が掛かり面倒なことはないが、車のカスカス音やペットが床に戻したディナーを見て、何も感じないわけではない。安全大会の最盛期が過ぎ、業界が無事故無災害を誓ったように、筆者も危険察知能力の向上を目指しオイルランプの点灯を回避しようと密かに誓った。不調だった重量車両は、道中のコンビニに立ち寄ったが、運転者が車の訴えに気付くことをひたすら願うばかりである。(群馬・KS)

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