コラム

2011/11/23

あるべきドラフトの姿(群馬・SS)

あるべきドラフトの姿

▼毎秋開かれるドラフト会議。正式には「新人選手選択会議」といい、プロ野球ファンなら毎年、将来のスター誕生に思いをはせるイベントだ。ひいきにしている球団に注目選手が入ってくるなら尚のこと、来年の優勝まで夢を見させてくれる。毎年のようにドラマが生まれるが、今年も例に漏れることはなかった。

▼ドラフト会議の意図は、球団間の戦力均衡化。各球団が平等の条件のもとで進められるべきだが、どこの世界にもえげつない手法が存在する。過去にも裏金の授受が表沙汰になるなどして度々制度を変えてきた。有力選手が希望球団に入団できる逆指名やその類の制度は完全に撤廃されたが、それでもいろいろ画策する者がいる。

▼前記のようにドラフトとは人を選抜するという意味であるが、下書きという意味もある。小欄も文章を書いては消し、書いては直し、推敲を繰り返す。幾重にも及ぶドラフトを経て完成した作品は、どんなに不出来でも我が子のようにかわいいものだ。

▼ただし我が子がいくらかわいいとは言え、下書き通りに事が運ばないことを理由に、誠意を示してくれる相手をくさすことは許されない。いつの世も人が気付かない抜け道を通ることが成功の秘訣だが、抜け道は下書きに簡単に描くようには存在しないのだ。

▼野球は筋書きのないドラマとよく言われる。ときに「メークドラマ」や「代打逆転サヨナラ満塁優勝決定ホームラン」など「事実は小説よりも奇なり」を地で行く出来事が起こるからこそ感動できるのだ。筋書き通りに物事が進んでは感動も何も残らないのだと関係者には大いに熟慮を願いたい。(群馬・SS)

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