コラム

2011/11/26

問われるマスコミのモラル(山梨・OS)

問われるマスコミのモラル

▼「説明しろって言ってんだよ!」。鉢呂・前経産相辞任会見での記者の発言が「ヤクザ言葉だ」と他記者らから批判を受けた。鉢呂氏に対し辞任の発端となった発言内容について具体的にどう言ったのか説明を求めた。しかし鉢呂氏が「定かな記憶がない」と具体的な言葉は分からないとした為、イラだった記者が声を荒げた。

▼以前にもJR福知山線脱線事故の会見で「社長を出せ!」「前を向け!」などの記者発言が問題視されたことがある。こうした問題が起こるたびに記者としてのスタンスを考えさせられる。不祥事を起こした者、公職に就いている者に対し説明責任を果たすよう求めるのは当然だが、脅迫めいた言葉を使っていい訳はない。

▼曖昧な発言に対してはむしろ淡々とその部分を指摘する質問で逃がさないようにすべきだ。筆者が出席した山梨県内の会見でも大手マスコミ記者が大声を上げ、「早く説明しろよ!」などと発言が。その時は正直「ああなってはいけない、あれじゃ脅迫だ」と思ったことがある。

▼筆者の取材時にも曖昧な発言で逃げようとしたり、時には語気を荒げ脅迫めいたことを言ってくる人もいる。その時にはさすがに、こちらもそれに負けないような姿勢で望むが、かと言って決してヤクザ言葉で迫ってコメントを得ようとすることはない。それはプロのすることではないと思うからだ。

▼マスコミは人から話を聞き発信することを生業とする。それだけに話を聞くときには取材先には敬意を持って接するべき。説明責任を果たすよう求めることはあっても、乱暴な言葉で強要するなどということは決してあってはいけない。(山梨・OS)

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