コラム

2011/12/02

見えにくいもの(茨城・HN)

見えにくいもの

▼休日、5歳になる娘と茨城県内にある「アクアワールド大洗水族館」へ出かけた。娘はあいにくの雨にも関わらず、行きの車内でも「イルカショーが見たい」やら「ぬいぐるみが買いたい」やらと興奮している様子。手を引っ張られ館内へと進む。

▼この水族館は、日本トップクラス規模で、50種以上のサメや、専用水槽サイズ日本一のマンボウなどが有名。2002年のリニューアル以来、年間約100万人が来場している。3月11日の大震災で被災したが、翌月1日には営業を再開した。だが、海沿いに建てられていることもあって、震災以来、個人的には足が遠のいていた。5月に娘が幼稚園の遠足で出かけた時も、「地震が来たらどうしよう」と心配した。

▼館内は悪天候でも、子ども連れの家族やカップル、年輩など、老若男女が思いのほかたくさん訪れている。「震災の暗い気分を払拭しようという思いの人も多いのかな」と思いながら、お目当てのイルカショー、ぬいぐるみ販売コーナー、たくさんの魚を見て歩く。

▼そうこうしているうちに「これなぁに?」と娘が指さす。それは施設内部が見えるように設置されている小窓。内部には、取材でたまに見かけるような機械設備がずらり。「この設備があるから、魚たちが元気に動き回れるんだよ」と答えてあげると、納得した様子。

▼この設備も、震災後には専門業者がくまなく点検し、子どもたちがまた楽しく訪れることができるようにと、懸命に復旧させたことだろう。見た目は華やかなテーマパークも、陰で多くの人で支えられている。娘にも、うまく伝わったのなら良いのだが…。(茨城・HN)

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