コラム

2011/12/23

伝わることばの違い(茨城・NI)

伝わることばの違い

▼2011年ユーキャン新語・流行語大賞が『なでしこジャパン』に決まった。これは、その年に話題となった新語・流行語を決定するもの。「ことば」は日常生活で、その人の個性や感情、意志を表す手段の一つと言えるだが、近年、ことばの使い方が、時代とともに変化している。

▼例を挙げれば「とんでもない」は、「と(途)でもない」から転化したことばで、丁寧に言うときには、「とんでもないことでございます」とか「とんでもないことです」が正しかったようだ。ところが、「ない」ということばは、丁寧に言うと「ありません」「ございません」であるから、「とんでもない」の語尾の「ない」を言い換えて「とんでもありません」「とんでもございません」と言うようになった。そして、今ではこの用法が当たり前である。

▼先日、筆者がよく立ち寄る某書店で、若い店員が「とんでもないことでございます」と、本来の正しい言い方をした。滅多にない正しい使い方に接して、驚きかつ感動して、その若い店員に「この書店は素晴らしい接客教育をしているね」と言ったのだが、新人店員に気持は十分には伝わらなかったようだ。

▼今、「気持」と書いて思い出した。これを『気持ち』と書くようになったのも最近のようだ。これを見ると、私は非常に気持悪い。《気持ち》は広辞苑に載っていないから間違った送り仮名。私のパソコンは、《きもち》を勝手に《気持ち》と変換する。

▼ますます気持悪いというようなわけで、ことばは年々変化し続ける。近いうちに「コーヒーで大丈夫ですか?」が正式に認められるような日が来るかもしれない。(茨城・NI)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら