コラム

2012/01/12

西岡選手の挑戦(東京・HM)

西岡選手の挑戦

▼昨年10月、ボクサー西岡利晃選手が日本人として初めて、聖地ラスベガスで防衛線を成功させた。多くの名チャンピオンが立ったリングにメーンイベンターとして登場した興奮の余韻はいまだ続いている。11月には、同門で後輩の山中慎介選手が世界タイトルを奪取。この時点で日本人世界王座は過去最高の8人。西岡選手の偉業に引っ張られたようだ。

▼日本ボクシング界を大きく前進させた西岡選手だが、ここまでの道のりは険しかった。世界王座を獲得したのは5度目の挑戦。それまで4回の相手はすべてタイの名チャンピオン、ウィラポン。1度目は未熟さゆえ。2度目、3度目は成長した姿を見せたがドロー。4度目は減量の影響から動きにキレが見られずに敗北。階級を上げての5度目の挑戦まで5年かかった。

▼この5年間は長かっただろう。5年待てと言われての5年ではない。いつになるか分からない、いや世界戦はできないかもしれないという中での5年。途中、アキレス腱を切るけがもあった。それでも西岡は「絶対に世界王者になる」と言い続け、努力を重ねた。

▼昨年は、建設業界にとって何年かぶりに追い風が吹いた年ではなかったか。厳しすぎる現状に、国土交通省も再生と発展のための方策をまとめ、現在も具体化に向けた検討を急ピッチで進めている。悲惨な災害を経て建設業の維持・存続の重要性も改めて認識された。

▼わずかに吹き始めたばかりの追い風。業界が良くなってきたと実感できるのがいつになるのかまだ分からない。しかし、努力はいつか報われる。それを信じて過ごす1年にしたいと思っている。(東京・HM)

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