コラム

2012/01/13

流れは常に変わるもの(茨城・KK)

流れは常に変わるもの

▼「あのお方(淀殿)は、長い夢から、いっこうに覚めようとなさらぬ。豊臣の世が、とこしえに続くという夢からな」。昨年のNHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』第37回(昨年9月25日放送)で北大路欣也さん演じる徳川家康が呟いたひと言が、今も耳に残る。

▼「今は、こいつにはかなわない」―秀吉の器量と当時の時勢から臣下に入ったが、家康には「天下はその時々の力のある者の持ち回り」、「いずれ自分の出番が来る」との自負があった。摂生に努め、チャンスを待ち続け、頂点に立った徳川家康の一生から学ぶものは多い。

▼30歳で建設会社を興し、創業40周年、古希を機にご子息に社長を譲り、会長職に就いたI氏。「今日まで、山あり谷ありだった。会社が良い時にも、派手なことはせず、社員に資格を取らせるなど人に投資し、悪くなった時に備えてきた」。I会長の会社は、今後も残っていくことだろうだ。

▼1回に1点取った後、点が取れず、結局その1点で終わる現象を表わす野球用語「隅一(すみいち)」。隅一で勝敗が決する試合は極めて少ない。双方のチームに、交互にチャンスが訪れ、流れが行ったり来たりする。得点しても油断したり、失点しても落胆してはいけない。

▼「監督はいつ代わるかわからない。くさらずに自分なりの練習を続けるんだ」―。後輩から「使ってもらえない」と悩みを打ち明けられた現役時代の落合博満選手は励ました。停滞する経済情勢に震災も加わり、大方の人にとって、昨年は良い年ではなかったろう。しかし流れは常に変わるもの。今年が良い年になることを信じて、地道な努力を続けたい。(茨城・KK)

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