コラム

2012/01/18

建設業のイメージ(埼玉・YW)

建設業のイメージ

▼かつて、大学生のアンケートでイメージの悪い業種・職業で、建設業と政治家、マスコミなどが上位に位置していた。多分、小中学生に聞いても建設業、政治家は上位にくるであろう。どんなに良いことをしても、そうしたイメージは払拭できない。

▼そうした偏ったイメージを植え付けているメディアが多い。2時間サスペンスドラマでは、おおむね公共事業を題材に、そのバックに政治家と手を貸す役人がいる。こうした構図は小中学生もイメージとして持っているので、先のアンケートのように「悪い」というイメージになるのだろう。

▼ご承知の通り、それは明らかな偏見で、それを繰り返すプロデューサーの仕掛けはやり過ぎである。昨年12月19日の夜9時の某2時間ドラマでの事例を紹介する。京都市が財産処分の際、発注者から建設業者が最低制限価格を聞き出して落札し、そこに娯楽施設を建設するというくだり。

▼公共事業の入札で、最低制限価格を聞き出し落札とはありうるが、財産処分は、最低制限価格ではなく最も高い金額の提示者が落札となる。怒り心頭に発した筆者は、プロデューサーに勉強しろとクレームをつけ、仕組みを財務省に聞くよう注文した。とにかく公共事業と関わる人は悪く、関係する政治家と役所が通じるという図式さえ教えたかったようだ。

▼確かに、公共事業を舞台に昨今とりわけ知事や首長らの失態が続き、関東管内でも談合というイメージどおりのことが起きている。しかし事実を正確に伝えるドラマならまだしも、ドラマだからと言って現実のルールにないことで制作するのは、いかがなものだろうか。(埼玉・YW)

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