コラム

2012/01/19

ドイツ流年末の過ごし方(群馬・KS)

ドイツ流年末の過ごし方

▼2011年の大晦日に、筆者は初めて花火を上げて新年の幕開けを祝った。108回の除夜の鐘の音を聞く代わりに異国ドイツへ飛び、道路でロケット花火を打ち上げて新年を祝うのも、また、新鮮な経験であった。

▼気の早い若者たちは夕刻からドンパチと打ち上げ始め、夜が深まるにつれて外に出る人が多くなる。寒い外気に身を縮めながら片手に持った景気酒を飲みながら、空に輝く花火を肴に飲み交わす。花火のピークは、午前ゼロ時を跨ぐ約1時間。新しく架けられた橋の上で、町全体を見渡しながら随所で上がる花火は実にきれいなものだ。

▼ふと、視線を地面へ向けると、打ち上げ後の花火の残骸や中身を飲み干した空き瓶に目が留まる。どう処理しているのだろうか。持ち帰っている様子もあまり見受けられないが、聞いてみると「そのままでも大丈夫」だという。それでは街中がごみだらけになるのではと反論してみると、役所が路上清掃をするそうだ。

▼翌日、散歩へ出掛けると案の定、街中が花火、空き瓶の残骸や破片でひどい惨状だ。役所が1〜2週間できれいに清掃するようだが、それにしてもなかなかの汚さだ。ドイツファンとしてはショックな出来事でもある。各自がごみを持ち帰れば、清掃業務に投資される税金も少なくて済むだろうにと思いを抱きながら、ごみが散らばった道を歩く。

▼元日が明けて、2、3日過ぎると、そう言えば道がきれいになっている。大体のごみが撤去され、もとのきれいな街並みに戻っているのだ。きれいな町を見ても、やはりあのひどい残骸を思うと、違和感を覚えずにはいられないのだが。(群馬・KS)

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