コラム

2012/02/02

季節はまだ冬なのに(東京JI)

季節はまだ冬なのに

▼厳しい寒さが続く。外出時にはマフラーと手袋が必須で、重ね着の下では保温機能の高い肌着が活躍している。そんな中、小学生の息子が夏休み自由研究のテーマを考え始めた。何事も早めの準備は良いが、それにしても気が早い。時間はまだあるので、じっくり取り組むよう応援するつもりだ。

▼1年生と2年生の時は、ともに『蝉』(せみ)を調べた。3年生ではテーマが大きくなって『地球の歴史』をまとめた。次の4年生では何を扱うか。最近は『人体』に興味を示し、臓器や血液の働きについて自分で学んだことを教えてくれる。人体でも何でも良い、好きなようにテーマを決めてほしい。

▼研究活動は困難の連続だ。それは子供も大人も変わらない。あるいはそれが、職業としての研究が敬遠される理由だろうか。独立行政法人土木研究所の魚本健人理事長は、あるイベントで「研究者が減っている。若い人が少ない。研究の面白さを知ってほしい」と吐露していた。

▼同研究所の発表会では、理事長自身が『研究の面白さ』をテーマに講演。「原因を解明して仮説の正しさがわかると新たな疑問も湧き、様々な可能性も見える。研究は時間と情熱が必要で大変だが、面白い」と話していた。その姿には、研究者確保に対する意気込みも感じられた。

▼図書館に行ったり博物館に行ったり、図画を描いたりコピーしたり。夏休み終わり頃には家族全員が疲れ果てているかも。しかし完了した時の達成感があるからこそ、息子も冬のうちから取り組むのだろう。ただし、息子の口から「研究者になりたい」という言葉は出てこない。やっぱり研究は辛いのだろうか。(東京・JI)

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