コラム

2012/02/11

危ぶまれる震災の風化(山梨・TH)

危ぶまれる震災の風化

▼1月28日午前7時43分頃、山梨県東部・富士五湖を震源とした地震が発生。県庁所在地の甲府市でも震度4を観測するなど、県内全域に突き上げるような大きな揺れだった。筆者自身もおおいに驚いた。災害に対する備えの大切さを再確認し、我が家でも東日本大震災時のような備えを復活させた。

▼東日本大震災が発生してからもうすぐ1年になる。日本中がパニックに陥り、太平洋沿岸部の東北3県を中心に甚大な被害をもたらした。しかし、東北地方から離れた山梨県では、震災が風化しているように見えてならない。各メディアでも震災関連のニュースは発信しているが、発生当初とは目に見えて減少している。

▼テーマといえば原発事故に対する政府及び東京電力の対応の悪さへの批判が大部分だが、これもまた同様に減りつつある。今や、原子力発電の安全神話は完全に崩壊し、「今どうなっているのか」「本当に大丈夫なのか」と心配になる。

▼一方、被災地住民は復興に向けて動き出している。福島第1原発事故で、全村避難した福島県川内村の遠藤村長は1月31日、村外で避難生活を送る住民に、村へ戻るよう呼び掛ける「帰村宣言」を行った。課題は山積みだろうが、避難区域に指定された自治体が帰還を促すのは初めてだ。

▼「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という言葉がある。熱いものも飲みこんでしまえばその熱さを忘れてしまい、苦しさも過ぎ去ってしまえば忘れてしまう。だが、突然くるであろう大震災に備えては「転ばぬ先の杖」。前もって用心することが何よりも大切で重要だ。その心構えは風化させないようにしたいものだ。(山梨・TH)

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