コラム

2012/03/02

東京スカイツリーの役割(茨城・HS)

東京スカイツリーの役割

▼今年5月22日に開業を迎える東京スカイツリー。それに伴い、東武鉄道は3月17日から東武伊勢崎線の業平橋駅を「とうきょうスカイツリー」駅に名前を変えるそうだ。業平橋駅は明治の時代に吾妻橋駅として開業後、浅草駅への改称を経て、今から約80年前に現在の業平橋駅へと改称された。

▼これで3度目の改称ということになる。業平橋の由来となった歌人・在原業平がどう思うかは別として、ずばりのネーミングは東京スカイツリーの認知度向上に一役買うだろう。駅から出てすぐの場所にあるという立地のため、電車の中からでもどんどん近づいてくるのがわかる。ちなみに押上駅もすぐ近くにあるが、こちらは地下駅なので地上に出てから見上げることになる。

▼少し気になったのは、親しみやすいよう平仮名にしたという「とうきょう」の部分。市町村合併が盛んだった時代はよく見た平仮名ネーミングも、最近はあまり聞かなくなった。首都「東京」は日本人なら誰でも読み書きできる。外国人観光客の来訪を期待してのことなのだろう。

▼かつて市町村合併で使用される予定だった「南セントレア市」や「中央アルプス市」は、住民の反対で却下された。「とうきょうスカイツリー」駅は、地元に配慮して改称後も「旧業平橋」の名称を併記するようだ。

▼80年という歴史の重みはそう簡単に捨てられるものでもない。まして長い間、日常生活で使用していた人にとって、最初のうちは相当な違和感を持つに違いない。願わくば、東京スカイツリーが新たな観光名所として、周辺地域が大きく発展しますように。そうすれば業平も怒らないかもしれない。(茨城・HS)

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