コラム

2012/03/09

幸せを測るものさし(茨城・KK)

幸せを測るものさし

▼ここ何年か、文化人類学者・辻信一氏の著書などで目にしていた「GNH(Gross National Happiness)」という言葉。昨年11月のブータン王国・シグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王の来日を機にブータンの国家開発の指針である「国民総幸福量(GNH)」が各メディアで、広く紹介されるようになった。

▼「経済力=国力」というのが、現代世界の考え方。それは、GNP(国民総生産)、GDP(国内総生産)という数字で表わすことができる。1976年、第4代ブータン国王・ジグミ・シンゲ・ワンチュク(現国王の父)は「GNHはGNPよりも重要である」とGNHの理念を提唱した。

▼GNHは、?心理的幸福、?健康、?教育、?文化、?環境、?コミュニティー、?良い統治、?生活水準、?自分の時間の使い方の9項目からなる。英国・レスター大学が測定方法を考案。2006年に178カ国を調査した結果、1位デンマーク、ブータンは8位、日本は90位だった。

▼昨年、国連開発計画(UNDP)は、各国の開発の度合いと生活の豊かさを示した2011年版「人間開発指数」を発表。それによると、1位ノルウェー、2位オーストラリア、以下3位オランダ、4位米国と続き日本は12位だった。ブータンは132位。生活の質を測っているため、いきおい、先進国が上位になる場合が多い。

▼生活の質もそうだが、心理的幸福こそが真の幸福だろう。歌手・竹内まりやさんの曲『幸せのものさし』に「♪足りないもの数えるくらいなら、足りてるもの数えてごらんよ」というフレーズがある。そんな境地に達したいものだが。(茨城・KK)

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