コラム

2012/03/13

2050年宇宙の旅(

2050年宇宙の旅

▼地球建設公社の技術部長の主人公が、超繊維ケーブルを使って地球と宇宙空間とを結ぶ、全長4万?の「宇宙エレベーター」の実現に奮闘する―。イギリスのSF作家、アーサー・C・クラーク氏が1979年に著した『楽園の泉』である。

▼スカイツリーの建設を手掛けた大林組がこのほど、2050年にその宇宙エレベーターを供用開始させると発表した。634mから一気に9万6000?の高みを目指す。構想によると、エレベーターは30人乗りで、ケーブルには鋼鉄の20倍以上の強度を持つカーボンナノチューブを使用。途中3万6000?地点には、宿泊・研究施設を備えたターミナル駅を整備する。駅までは時速200?で1週間で到着するという。

▼人類初の宇宙飛行を成し遂げたのが1961年。初めて人間が月面に着陸したのが69年。ついこの間のことのようで、宇宙旅行は、万人には絵空事にしか思えなかった。しかし、このエレベーター構想の発表でリアリティが増してくる。

▼?思い描くことは実現できる?。NASAのラングレー研究所の門に刻まれる言葉である。ウォルト・ディズニー氏も「夢見ることは実現させることができる」、京セラの稲盛和夫氏も「強く思ったことが現実になる―と説く。3Dアニメもスマートフォンも未だに信じられないほど画期的な発明であるが、元はといえば人間が頭の中で思い描いたことだ。

▼今回の宇宙エレベーターの構想が、改めて想像することの偉大さを知らせてくれた。日本の「地球建設公社」の健闘を祈り、たくさんの夢を抱きながら、40年後の宇宙の旅を楽しみに生きていこうと思う。(茨城・KS)

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