コラム

2012/03/17

コンパクト化への進化を(東京・HM)

コンパクト化への進化を

▼「コンパクトは効率がいい」らしい。先日、体長3?の最小カメレオンが発見されたというニュースがあった。人間の指先に乗せた写真がネットにも出ていたが、爪の上にちょんと乗ったカメレオンは、まるで加工した画像のようだった。

▼これは島などの限られた空間では、生物の小型化が進むためで、「島しょ化」と呼ばれる現象だ。小型化への進化は、限られた食糧で足りることや早く成熟するため、繁殖が早いなどの利点がある。

▼コンパクトシティ。これからのまちづくりは、この方向で進められる。地方部では、郊外型のまちづくりが進み、これにより中心部は空洞化し、この結果、自動車に頼る生活が生まれる。交通弱者にとっては住みにくいまちだ。環境面などからも好ましくない。それに対応するためのコンパクト化は、非常に効率がいいらしい。

▼群馬県は、まさに今後のコンパクト化が求められる典型的な郊外分散型の都市ではなかろうか。実際に自動車への依存度は非常に高い。自動車がなければ生活できない。先日、見るからに高齢と思えるお年寄りがハンドルにしがみつく様に運転していた。実に危なげである。

▼このお年寄りを責めることはできないだろう。年を取れば、視野もせまくなるし、反射神経も遅くなるのは道理である。当然、運転が危なくなるのは仕方がない。だからといって、「免許を返せ」とも言えない。車が無ければ生活ができないからだ。このぐらいの年の人がハンドルを握らざるをえない環境がやはり問題だ。効率を求めるコンパクト化という「進化」。カメレオンにできたこと。人間にだってできるはずである。(東京・HM)

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