コラム

2012/03/27

春に最適な薬は(茨城・KM)

春に最適なクスリは?

▼花粉と共に春が到来する。野良猫たちの鳴き声が街中に響き渡るシーズンだ。春の暖かい陽気で、人間も気分が高ぶったり、イライラしたりする事が多くなると言われている。

▼しかし、春に気分が揺れるのは陽気のせいだけでは無く、春に必ず訪れる「出会いと別れ」も多分に影響を与えているのではないだろうか。長男の担任である幼稚園教諭がこの3月で退職することになった。とても優しい先生で、われわれ保護者も非常に残念だが、長男の落胆ぶりが尋常でない。「あぁこれが彼の初恋だったのか」と思わず悟った。

▼アメリカの心理科学誌に発表された調査結果によると、拒絶や別離などで心の痛みを感じたときと、実際にけがなどをして身体の痛みを感じたときの脳の活動は酷似している―との事。これは「心の痛み」と「身体の痛み」を処理するのに、いくつかの共通した脳の部位が使われているため。

▼これを証明するように、心に傷を負った人に3週間鎮痛剤を処方したところ、偽薬を処方した人よりも心の痛みを訴えることが少なかった。しかし鎮痛剤は心の痛みを治す薬ではないので「傷心で鎮痛剤を服用するのはお勧めできない」とカリフォルニア大学ロサンゼルス校のナオミ・アイゼンバーガー氏は話している。

▼中医学(中国の伝統的医学)では、春には熱をとってくれる香りの強い野菜(セロリ、セリ、三つ葉など)が最適と言われている。大いに食することは結構なのだが、別離などで受けた心の傷を癒すために最適な薬は、やはり「出会い」ではなかろうか。来月になれば多くの新しい「出会い」があるに違いない。(茨城・KM)

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