コラム

2012/03/28

身の引き締まる言葉(群馬・MY)

身の引き締まる言葉

▼群馬県の、ある建設関連団体事務局の理事から取材情報を提供された。団体幹部と県議団が意見交換を行うらしい。概要をうかがうとかなり重要な会合だ。

▼「他紙の取材も来ますか?」。テレビ局が来るなら写り込まないように注意しなければと思い尋ねると、その理事は一般紙が1社来ることを教えてくれた。テレビカメラが無いことに安堵していると、「○○新聞なんかに遠慮するなよ。あんたのところは『おれたちの新聞』なんだからな」。唐突に言われたその言葉に驚き、しばらく考え込んだ。

▼「おれたちの新聞」という言葉は大変うれしかった。弊社が創刊から60年間のなかでさまざまな人と関わり、多くの読者の方たちとつながってきた結果の評価であろうか。その一方で、「理事に不安を与えてしまったのではないだろうか」と自問した。電話口で未熟さが表れてしまったのではないか。何も映っていないパソコンをしばらく見つめていた。

▼年度末は弊社も繁忙期。予算公表にあわせて西へ東へと取材に出向く。朝早く自宅を出て取材へ直行すると、すでに工事中の現場では重機が動いている。ことしはまだ風が冷たい。交通整理をする人に頭を下げて通過する。帰宅時間は時計の針が万歳状態になったころ。もう道路も空いている。昼間は敬遠する大通りの信号のない交差点を右折すると正面にある建設コンサルの窓から明かりがもれている。ここのところ毎晩だ。

▼現場や会社などそれぞれの持ち場でがんばっている方たちの姿を見ると、改めてあの言葉の重みが思い返される。一番喜ばれる紙面を目指して、さらに気合いを入れ直した。(群馬・MY)

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