コラム

2012/04/04

公共事業は重要(群馬・AN)

公共事業は重要

▼先日、群馬県高崎市内のホームセンターへ買い物に行ったところ、入口前方に『防災グッズコーナー』と書かれた看板とともに、各種関連商品が並んでいた。都内では防災グッズが売れに売れ、品切れの店が続出するといった報道もあった。確かに、近所のホームセンターの商品棚も所々虫食いのようになっていた。

▼都内での爆発的な売れ行きは、マスコミが首都直下型地震が今後4年以内に70%の確率で発生するといった研究結果をこぞって報じたことが発端だという。確かに『備えあれば憂いなし』の通り準備にこしたことはない。首都直下型地震に備え、自然災害の少ない群馬県では首都機能のバックアップ誘致を目指している。

▼過日、某研究会で講師を務めた群馬県建設業協会の青柳剛会長は「災害列島日本の防災・減災に必要な公共事業を経済性と効率性で行ってきた事業仕分けと予算編成のあり方に対し、今こそ警鐘を鳴らす時」と強く訴えた。

▼さらに「建物では2方向避難の確保が決められている。その1つに非常階段の設置があるが、これまでの事業仕分けをみると『非常階段は1回も使わないから駄目』と言っているように思える」と効率性のみを追求した安易な公共事業の削減を批判した。

▼防災の面から公共事業は見直されつつあるものの、当然ながら予算は被災地へ局所的に投じられ、そのほかの地域では相変わらず『ぞうきん絞り』が続いている。防災グッズは、あくまで個人レベルの話であり、命を守る社会資本整備は国民全員にかかわること。災害はいつどこで起きるかわからない。なすべきことは明々白々である。(群馬・AN)

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