コラム

2012/04/05

自らを省みる春に(埼玉・YW)

自らを省みる春に

▼出会いと別れ、それぞれの旅立ちと人生が交錯する春が到来。同時に前向きに明るく何かにチャレンジしようとする雰囲気や空気が伝わり始める。

▼奇しくも今の時代、日本再生、欧州再生、強いアメリカ再生と再生流行り。埼玉県は先月25日に「川の再生」式典を終えた。お蔭様で弊社も60周年を迎えて、「リスタート」をスローガンに掲げた。この頃の世相は、これまでの悪い流れなどを断ち切り、新たに動き出すといった標語が好んで使われているようだ。

▼悪い流れを断ち切り、努力し、豊かな発想をもってチャレンジすることだと理解はしていても、実行となると難しいのが再生。イギリスの有名な自然科学者ダーウィンは「生物の中で生き続けられるのは、もっとも強いものでもなく、また最も賢いものでもない。唯一、生き残れるのは環境に変化できる生き物である」と『種の起源』で述べている。弊社も60年間生き延びてきたのは、それなりに変化してきたからに他ならない。

▼企業を60年間存続させるためには、取捨選択を繰り返し、変化を受け入れてきたこともあろう。世間で叫ばれる再生を実現すべく、日本は、いや世界は現在の変化を捉え、何かを創っていかなくてはいけない。今こそ人類の英知を結集し再生に向かわなくてはいけない。

▼弊社とて同じことである。安易な取材を繰り返していることに満足し、それで居心地が良いとぬるま湯に浸かってはいないだろうか。建設専門紙だからその程度と勝手に解釈し、逃げてはいまいか。まさに弊紙の社是「現状維持は退歩」そのものある。改めて心機一転、自らを省みる春にしたいと思っている。(埼玉・YW)

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