コラム

2012/04/14

熟練工の爪切り(新潟・YY)

熟練工の爪切り

▼「SUWADA爪切り」をご存じだろうか。金物のまち、新潟県三条市にある?諏訪田製作所が製造するニッパー型の爪切りだ。新潟県内の方なら「知っている」「使っている」と答える方も多いと思うが、全国的な知名度も上がっているため、県外でも「知っている」「使っている」という人は少なくないのでは。

▼熟練の職人によって仕上げられたその爪切りは、切断面がキレイで爪が割れたりすることもなく、ヤスリいらず。噂を聞くたびに気にはなってはいたものの、クリップ式の爪切りを使い、面倒だなと思いつつ、切った爪の断面をヤスリで整えていた。

▼5年ほど前、ふと立ち寄ったお店で「SUWADA爪切り」を偶然目にし、手に触れる機会があった。試し切りもさせてもらえたのだが、切った爪の断面に触れてみると、お店の方の説明どおり、引っかかるような感触がないのだ。「ヤスリいらず」との言葉を納得できた。それなりの値段がするので購入を迷っていたが、「一生ものですよ」との言葉に心が決まった。

▼ただの爪切りに高いお金を払ったことに対し、家族は「もったいない」と最初は言っていたが、その切れ味の良さがわかると、「SUWADA爪切り」ばかりを使うようになった。近くに住んでいながら、その性能を誰も気づかなかったのである。

▼世界的大ヒット商品Apple社のiPodのステンレスを磨いていたのが、実は三条市に隣接する燕市の職人だったいうのは有名な話し。日本には素晴らしい職人技が溢れている。しかし、町工場など身近すぎて、その熟練技が見えなくなっているのは問題である。(新潟・YY)

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