コラム

2012/04/25

入学式で思うこと(群馬・SN)

入学式で想うこと

▼過日、長男の高校入学式に出席した。校長先生の式辞をぼんやりと聞いている傍ら、自分が高校に入学した時から30年以上が経過してしまった現実を顧みる。それは正に隔世の感だ。当然のことながら当時の記憶は無い。

▼人は何歳ぐらいからの記憶があるのだろうか。人によってまちまちだろう。本当かどうかは別として、母親のお腹の中にいた頃のことを覚えている人もいるそうだ。筆者が生まれたのは、東京オリンピックの翌年である。残念だが、当時の記憶は薄い。だが、テレビなどで当時のVTRを観ているうちに、不思議だが自分の記憶だと錯覚してしまいかねないこともある。

▼ましてや大阪万博については、当時の映像を見るたびに懐かしい気持ちにさえなる。以前その話を家人にすると、「家に万博の写真があったからそんな気がするんじゃないの?」と、記憶の後付け説を唱える。

▼そんなどうでも良いことを考えているとスピーチは折り返し地点に。そこで聞き捨てならぬ事を知る。かすり傷程度がほとんどだと言うが、約7割の生徒が自転車事故に遭っているそうだ。とかく勉強面で注文を付けたくなりがちだが、なんと言っても健康で安全で楽しい3年間を過ごしてもらえればいいことに気が付いた。建設業だけでなく、どの産業も安全第1に代わりはない。学生も生徒も然りだ。後席の仲良し母親グループのおしゃべりが止まない。会場内では携帯電話の着信音も鳴る始末。

▼校長先生はそんな不遜な親たちを戒めるかのように、一瞬の沈黙を置き式辞を結ぶ。「諸君の健闘を祈る」と。悲しいかな「諸君」とは我々父兄も含まれているのだ。(群馬・SN)

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