コラム

2012/05/24

価格安は悪にあらず(埼玉・YW)

価格安は悪にあらず

▼ゴールデンウィークのしょっぱな、残念かつ衝撃的な交通事故が発生した。東京ディズニーランドに向かう高速深夜バスが群馬県内で大事故を起こし、全国を悲しみの渦に巻き込んだ。

▼その後、労働安全の甘さ、ドライバーの過酷さ、ネット販売での安価さなどが事故の原因だとするなど、次から次へとお粗末さが出てくる事態に。報道の有り様は、バス会社への販売した旅行会社からの下請け代金の安さ、それにあわせるかのようなバス運行会社のドライバーの1人制という安全への配慮の無さなどといつた結論づけだった。

▼確かにそのような一面があったのだが、そうした販売と運行形態すべてが悪いかのような決めつけ報道には違和感がある。バス会社も運行上の安全確保のため2人つければ問題はなく、ただしバス会社の利益率はどうなるかは保証できない。したがって今後は距離と時間帯のドライバー体制の規則を強化すればよいことは明白。

▼とにかく安いのはリスクがつきまとい、悪の部分がある報道は正しくはない。今後も安さにひかれ利用者も減るとは思えない。過度な締め付けは結果的に消費者利益を奪うことになりかねない。飛行機も格安航空会社が本格的に国内を飛び、人気が高い。消費者利益となり、経済を引っ張っている。

▼同じことは工事などの入札でも言える。昨今、失格基準価格などが広まり、失格基準を下回ることが悪の根源的な風潮にある。そうだろうか。技術と経営に優れた企業が声高に叫ばれる。その安さは会社の努力と技術力でなせるのに、何故否定的なのか。「安さ」だけへのミスリードは慎むべきでは。(埼玉・YW)

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