コラム

2012/06/05

駆け込む前に検討を(新潟・SS)

駆け込む前に検討を

▼拙宅の増築を検討し、家を建てたメーカーに見積もりを依頼したが、予想以上の高額に驚いた。近年では、PRで家が安く建てられるイメージが強いので、1室の増築が555万円を上回る見積もりは想像外である。高額な理由は軽量鉄骨造で、増築するには構造部分に手を加えなくてはならず、構造計算が必要なのが主な理由。

▼拙宅は新潟市の郊外で、住宅地から一歩出れば水田が広がる。7年程前JRの駅舎を中心に宅地の開発が始まり、当初はまばらだった家も、ここ1〜2年の間に、新築の家で埋め尽くされた。

▼新潟で年間100棟ほどの住宅を手がけるビルダーによると、最近は新築の理由に消費税を挙げる人が増えてきているという。法案成立の見通しが立っているわけでないが、来年の今頃は、駆け込み需要で相当忙しくなると思うが、いまだ震災の影響による人手不足や、工事が混み合う事による資材の高騰も考えられる。

▼消費税が5%になったのが1997年、新税率施行日1年前から住宅の駆け込み需要が始まり、着工戸数が前年比15・6%アップし、工事が一時的に混みあった。サラリーマンの収入が1997年をピークに減少したのと重なり、その後の新築需要は激減した。しかし、それがローコスト住宅の台頭につながったとも言える。

▼新税率施行日以降に、引渡しを受ける住宅は新たな税率が適用される。注文住宅など請負契約を行う住宅については、半年の猶予が予想されるが、家を建てる場合、計画から入居まで約10カ月と言われている。駆け込みに焦り「もっと早く検討を進めていればよかった」と嘆く人も出てくるのだろう。(新潟・SS)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら