コラム

2012/06/08

良い影響であるために(茨城・HS)

良い影響であるために

▼イギリスのBBCなどが世界22カ国で実施した「世界に与える影響」の世論調査で、日本は良い影響を与えている国家の1位(58%)に選ばれた。昨年はカナダなどとともに3位。1位になったのはドイツと並んでトップだった2008年以来4年ぶりだそうだ。具体的にどんな良い影響を与えているのかはピンとこないが、とりあえず1位なのは嬉しいことだ。

▼逆に悪い影響の部門ではイランやパキスタン、北朝鮮が上位に並ぶ。これらの国は核開発で国際社会から問題視され、アメリカやヨーロッパのメディアから非難を浴びている国だ。割合はいずれも50%を超えている。

▼興味深いのは、日本やドイツ、カナダといった「良い」の上位国の国民ほど他国の「悪い」に票を入れず、「悪い」の上位国ほど他国の「良い」に票を入れていない傾向にあるというところ。レポートは「良い」のグラフが青、「悪い」のグラフが黄で塗られており、少し見るだけでどちら側の国かがすぐ分かるようになっている。

▼こうした調査を仕事別でやってみたらどうなるだろう。「職業に貴賎〈きせん〉なし」と言われるように、どんな仕事も必要とされていることは理解しているが、建設業が上位にくるのはまず間違いないのではないだろうか。子どもの憧れる職業ランキングのような夢の話ではなく、現実を見た場合、建設業は必要不可欠な存在なのだから。

▼そう考えると、業界への風当たりの冷たさには残念で仕方がない。PCでただ数字を動かすだけで大もうけできる仕事と、将来もずっと使われ続けるものをつくったのに冷遇される仕事。何か理不尽なものを感じてしまうが。(茨城・HS)

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