コラム

2012/06/23

ホタルについて思う(山梨・SA)

ホタルについて思う

▼山梨県某自治体の定例会見で、ホタル観賞会のイベントがあることを知った。会場となる場所が、自宅からそう遠く離れていない所で、まさかホタルを見ることができるとは知らず、配布された資料の地図や内容を見ながら大変驚いた。

▼これまで恥ずかしながら、生まれてから実際にホタルというものを、じかに見たことも触れたこともなかった。読者の中でもそんな方も少なくないのでは。テレビや本などで、その幻想的な光を放つ生き物がいるという知識を持つ程度だった。筆者が住んでいる場所も、主に住宅地が立ち並ぶ場所で、幼少時代から育ったため、振り返ると自然というものに触れる機会がなかった。そのため、自然の豊富な場所には、とても憧れを持っている。

▼ホタルはきれいな水環境が十分に整った場所でないと生息できないと聞く。現代は、外来種生物の氾濫により変わりゆく自然環境や、大気が不安定で温暖化傾向にある気象状況の中、自然界の維持は難しく、過酷さを感じる。

▼先日、文房具店で、多くの人が賑わっている一画があった。それはメッセージカードのコーナー。季節の風物詩を知らせる様々な模様が描かれたカードがある中で、ここでも竹かごの中にいるホタルを描いたカードがあった。ホタルの明かりには、夜光塗料が塗られていたが、とても風情を感じた1枚だった。

▼自然界に生きるホタルは、ほのかな明かりを放ちながら、何かを人間に語りかけているように感じる。毎日せっせと動く現代人において、少し場所を移したところに足を運び、光と辺りの静寂を味わう時間がとても必要に感じる。(山梨・SA)

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